映画「手紙」愛の反対は憎しみではなく、無関心とマザーテレサは言う

ドラマ
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マザーテレサは「愛の反対は憎しみではなく、無関心」というが、兄の歪んだ愛情は弟の将来への無関心が生んだ悲劇になった。

しかし、それによって、弟は妻子を守るためのモラルのある愛情を覚える。

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作品情報

製作年 2006年

製作国 日本

上映時間 121分

ジャンル ドラマ

 

監督

生野慈郎

 

キャスト

山田孝之(武藤直貴)

玉山鉄二(武島剛志)

沢尻エリカ(白石由美子)

吹石一恵(中条朝美)

 

あらすじ

工場で働く20歳の青年・直貴には刑務所に服役中の兄がいる。

兄は弟の学費を手に入れるため強盗に入った家で誤って殺人を犯してしまったのだった。

そんな兄がきっかけで人生が狂わされ夢さえも諦めてしまう直貴。

そして愛する女性との幸せまでもが脅かされた時、直貴はある決断を下す……。

 

感想・考察

愛の反対は憎しみではなく、無関心

両親をなくし二人で生活する兄・剛志と弟・直貴。兄は弟の大学進学にかかる学費を捻出するために、強盗、そして殺人を犯してしまう。弟の未来を兄なりに考えての行動に他ならないわけだけれど、方法が明らかに間違っている。彼れらのバックグラウンドは事細かに描かれているわけではないので、詳細はわからないけれど、他に方法はいくらでもあったはず。その点、日本ほど手厚い国は他にないはずだから。

兄の弟を想う姿を否定はできない。けれど、方法が間違ってしまっては結果的に想いは意味を為さない。現に弟は兄の犯した罪によって”犯罪者の家族”というレッテルを貼られ、息苦しさを覚え怯えながら生活を送ることになっている。兄の想いを否定することはできないのだけれど、モラルがなければ愛ではないと言わざるを得ないのも事実。兄が弟を想うように、殺害された女性を想う家族もいるのだから。

モラルを前提に弟を想うのが愛なのかといえば、それもそれで矛盾しているような気もする。けれど、モラルがなければ愛せないというは事実。だから、兄の行いは愛ではない。マザーテレサが「愛の反対は憎しみではなく、無関心だ。」というように、兄は弟の将来に無関心だったのかもしれない。

 

兄の無関心な愛によって、弟はモラルのある愛を覚える

兄の行いによって自分の過去に葛藤を覚えて遣る瀬無さを感る弟。彼はもしかしたら、兄が刑務所に入ることがなかったら、本質的な愛を知ることが出来なかったのかもしれない。

弟は兄が刑務所に入ることでレッテルを貼られるわけだけれど、その結果、歪んだ愛情が皮肉にも弟にモラルのある愛情を認識させることになる。というのも、兄によって自分以外の家族にも弊害起きることで兄との縁を切り、自分の妻と子を守るという決断をとるから。

もしかしたら、兄の弊害を受けずに成長していったら、弟も犯罪を犯し家族を歪んだ愛で苦しめたのかもしれない。そう思えば、兄の犯した罪があったからこそ、弟は愛を知ることができたのかもしれない。だから、結果的に妻子に愛され、自らも妻子を愛せる人間になったのかもしれない。そういう意味では、見応えがあり、深みのある作品だったと感じることもできた。実際テーマは重たいのだけれど、その分、ラストの昇華には想いが募る。

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