視覚芸術的な作品で、アメリカンカルチャーを楽しめる。
そして彼女たちの抑圧的な夫からの柵。
男尊女卑的な男性優位社会への葛藤。そして反発・昇華。
作品情報
制作年 1991年
制作国 アメリカ
上映時間 128分
ジャンル ドラマ
監督
リドリー・スコット
キャスト
スーザン・サランドン(ルイーズ)
ジーナ・デイビス(テルマ)
ハーベイ(ハル)
マイケル・マドセン(ジミー)
あらすじ
退屈な日々にうんざりしながらウェイトレスとして働くルイーズ、抑圧的な夫に嫌気がさしている主婦のテルマ、そんな2人は旅行へ。
しかし、旅先で2人はある事件に拘ってしまい、2人の逃避行が始まる…。
感想・考察
ブレードランナーとは一線を画する作品
リドリースコット監督は「ブレードランナー」のイメージが強いんですが、他にもホラーも撮っていたんですね。
そして今作のようなドラマやロードムービーなんかも。
アメリカンカルチャーの楽しさ
ポップな音楽にヘアやファッション、食事なんかからアメリカンカルチャーを感じ取れて、愉快で視覚的人間楽しい文化です。
好きな作品の1つに「ロードオブドッグタウン」があるんですが、此方もファッションやスケーター、ストリートなどのグラフィックや演出から感じとれるアメリカンカルチャーが好きなんですよね。
今作も似た類の演出があったように感じています。それを効果的に写すカメラワークも良い。
時には強く、そして悲しく煙草を燻す女性の姿
煙草を吸うシーンが沢山ありました。
そのカットだけをとってみると、綺麗な女性を巻く煙草の煙ほど、情緒的で美しいものはなかなかないと感じます。
だから綺麗な女性が煙に巻かれている姿が好きです。
時には悲しげにも見えて、時には強く美しく見えます。
男性の柵に隠れた女性のパワー
男尊女卑的な文化というのはまだ日本でも当たり前にあって、そんな文化に対する鬱憤を晴らす女性のパワーに魅せられます。
感嘆という言葉が合うように感じます。感心すると同時に嘆きでもあります。
殺人を犯してまでも楽観的な陳腐な日常
此れが殺人犯なのかというほど楽しそうでもあり、シリアスな雰囲気も感じ取れます。
そういう意味でも2人の言動の変容が楽しめたりしました。
犯罪という鬱憤を昇華させる為の表面的な楽しさを演出してたのかと思っていましたが、どうやら違かったようです。
ラストの2人の言葉から真意が垣間見れた気がします。
女性的な2人から、むしろ男性的な内面をあぶり出す
初めは夫の柵から解放され、男性遊びや酒を飲むシーンから女性的になった2人を感じました。
雪だるま式に罪が増えていって2人は当然窶れて男性的な2人になったように見えてきました。
しかしながら2人はそれぞれの柵から解放されて本当の自分を見つけられたのだと。
https://amzn.to/3thqUH3