シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー。
アメリカ映画界の重鎮の共演。これだけでもお腹いっぱいだ。
そして、単なる脱獄ではない。
目新しい場所からの脱獄で、正に”大脱走”。
作品情報
制作年 2013年
制作国 アメリカ
上映時間 116分
ジャンル サスペンス、アクション
監督
ミカエル・ハフストローム
キャスト
シルヴェスター・スタローン(ブレスリン)
アーノルド・シュワルツェネッガー(ロットマイヤー)
あらすじ
一度入れば、二度と出ることはできないと恐れられている墓場の異名を持つ巨大タンカーでできた監獄。
そこへ、脱獄のプロでありセキュリティ・コンサルタントのブレスリンがやってくる。
汚名によって投獄された彼は、組織の陰謀を暴くために、脱出不可能とされる大監獄へ挑む。
しかし、彼の前には長年収監されているロットマイヤーの姿が…。
感想・考察
シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの共演
いわゆるよく有る刑務所からの脱出劇なわけだが、特筆すべきはスタローンとシュワルツェネッガーの共演。
この2人といえば、もはやアメリカ映画界の重鎮とでもいうか。
スタローンといえば、「ロッキー」に「ランボー」。
シュワルツェネッガーといえば、「ターミネーター」といったところか。
この2人が主演ともなれば、面白いに決まっている。
続編である「大脱出2」、2019年9月の「大脱出3」の公開が、それを裏付けている。
単なる一般的な刑務所ではない 海に浮かぶタンカーが舞台
そこらへんにある刑務所をテーマに描かれているものも、それはそれでリアリティがある。
しかし、脱獄をテーマにする作品は数あれど、タンカーが刑務所という設定は斬新だ。
そして、そのタンカーのせいで、地理的に脱獄を拒むという設定も巧い。
確かに、陸地であれば刑務所から出た後の手段は良い意味で複雑だ。
歩いても、自転車でも、バイクでも、車でも、バスでも、飛行機でも、色々ある。
今回は海に浮かぶタンカー。
泳ぐのはリアリティがないにして、他は船か、飛行機になるわけだ。
その限定的な設定がまた彼らの置かれている状態をシリアスで困難なものにしてくれる。
その点は、「囚人リク」によく似ている。
脱獄のバックグラウンドを如何に深掘りするか
スタローン演じるブレスリンが脱獄を生業にしているセキュリティ・コンサルタントという設定もまたナイスで有る。
実際、それを生業にしたバックグラウンドなんかはワンシーンでまとめられているが、シリアスで物語を締めてくれる。
というのも、それによって脱獄が明確化されるからだ。
脱獄ものは多数見てきたけれど、この脱獄理由が如何に明確化されているかで面白さが決まる側面もある。
もちろん、私欲のためでも、家族のためでも、金のためでも、良い。
そこに、どれだけ本質的に向き合っているかが重要。
猛烈に金が欲しいから、というのもそれはそれで好きだ。その本気度が脱獄の本気度へ直結するから。
だから、脱獄の方法もこだわりはない。とにかく、そこにある熱いものが画面を通り越してくれば、それで満足できるのだ。
今作は、その点をもっとふ掘り下げれば、もっと深みのある映画になったようにも思う。
この点は「rainbow 二舎六房の7人」が非常によくできているので、読んで欲しい。