映画「グッドフェローズ」監督・キャスト、あらすじ・感想 トゲのあるテーマをマーティンがまとめる

実在したギャング”グッドフェローズ ”、公開当時彼らは檻の中で生きている。

生き様やルックスなどなどギャングには格好よさが詰まっているのだけれど、「大統領よりもギャングになりたかった」は笑ってしまう。

ギャングというトゲのあるテーマを選びながらも巨匠マーティン・スコセッシがうまくまとめ上げている。

作品情報

制作年 1990年

制作国 アメリカ

上映時間 145分

ジャンル ドラマ、クライム

監督

マーティン・スコセッシ

キャスト

ロバート・デ・ニーロ(ジミー・コンウェイ)

レイ・リオッタ(ヘンリー・ヒル)

ジョー・ペシ(トミー・デビート)

ロレイン・ブラッコ(カレン・ヒル)

ポール・ソルビノ(ポーリー・シセロ)

あらすじ

ヘンリー・ヒルは幼い頃から“グッドフェローズ”と呼ばれるマフィアの世界に憧れていた。

12歳の時からブルックリンの街を牛耳るポール・シセロのもとで使い走りを始める。

やがて、ヘンリーは本物のマフィアとして、強奪専門のジミー・コンウェイや、チンピラのトミー・デビートといった仲間たちと共に荒仕事に手を染める日々を送るようになる…。

感想

公開当時グッドフェローズはまだ生きている

冷酷なギャング・グッドフェローズは実在したようで、今作は実話に基づく物語になっている。そして、エンディングのテロップで〜は生きている、〜は〜のため死亡。的な感じで、彼らの状態が流される。作中の生々しい演出は目を見張るものがあり、彼らの心理戦や銃撃戦は”生きた物語”だと感じていた。それは彼らが生きているとうことも重なって一層彼らを感じることになった。

この物語は今も続いているのか。と思うと実際目の当たりにはしたくないけれどどこか嬉しい気もしてしまう。もちろん、ギャングを美化する訳ではないし、行いは人殺しにドラッグに悪だ。ただ、彼らが格好良いと感じてしまうのも正直なところ。

グッドフェローズ 的な格好良さ

マフィアやギャングの映画といえば「ゴットファーザー」で、あちらも格好いい。マフィアやギャングが格好良いというのは、おそらく僕が中二病チックだとかではないだろう。もしかしたらそうかもしれないけれど、普遍的な格好良さが彼らにはあるのだ。格好良さを定義するのは難しいけれど、彼らの一心不乱に任務を遂行する姿、奥さんに「好きなものかえよ」といって札束を渡すシーン、仕事に対するプライド、ビシッと決めたスーツだったりは痺れてしまう。やはり、これが中二といえば中二かもしれないけれど、それでもまあ良い。

そして、特筆すべきはナレーションである。だいたいナレーションといえば第三者が客観的に行うイメージだけれど今作は違う。冒頭で「大統領よりもギャングになりたかった」なんて言ってしまう。これには驚き半分笑い半分格好良さ少々といったところで、実際大統領の方がお金も名声も何から何まで良いはず。でも、それは一般論であってグッドフェローズにいる連中はアウトローだから、そんなところとはズレている。そうじゃなきギャングなどできないし、ぶっ飛んでいて当たり前だ。

「カスばかりの街でデカい顔出来る。」というのもあるのだけれど、これもなんだかズレていて面白い。カスの中でデカイ顔をしても仕方ないじゃないか。それではカスが少しマシになっただけだと、僕は思ってしまう。

ギャングだって人間だ

ここまで、格好良いと散々いってきてはいるけれど、なぜそう思うのかといえば彼らは人間臭さがあるからだ。ドンには結婚や一途でいることを心に留めるように言われるのだけれど、不倫もするし仕事ではなく単なる怒りで銃殺したりドラッグをやったりとイメージよりは普通の人間との親和性があるのだ。言い換えれば単に見た目が格好良いとか頭がいいとかではなくて等身大でもある。それが映画として感情移入を誘い、高い評価を得ているのだろう。

他にも、ギャングとしてだけではなく触れたナレーションや演出、音楽なんかも含めて総じて完成度の高い秀作といえる。それもそのはず、今作は巨匠マーティン・スコセッシの作品だからだ。ギャングというギャングというトゲのあるテーマを選びながらもマーティン・スコセッシによって、うまくまとめ上げている。

 

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