映画「ハムレット」映画的アート・メディアとしての位置付け 言葉の映画

映画というより”映画的”アート、メディアである感じました。
言葉を映画という形で繋いだような。

作品情報

制作年 1947年

制作国 イギリス

上映時間 155分

ジャンル ドラマ

 

監督

ローレンス・オリヴィエ

 

キャスト

ローレンス・オリヴィエ(ハムレット)

ジーン・シナモンズ(オリーフィア)

アイリーン・ハーリー(ガートルード)

ベイジル・シドニー(クローディアス)

 

あらすじ

デンマーク王子ハムレットの悲劇の物語。
彼の父を毒殺し王座を獲得した叔父。
そんな叔父に対する復讐心からハムレットが躍動します。

 

感想・考察

ローレンス・オリヴィエのマルチ

カサブランカに次いでモノクロ映画鑑賞でした。
主演のローレンスオリヴィエの存在感は突出していましたが、脚本も監督も彼なんですね。
映画というスキーム上も画面内も良い意味で彼の独壇場と感じました。

映画的なアート・メディア

演出や構図というかカメラワークには演劇を感じました。
というより映画の形をした演劇と表現したほうが合っているのかもしれません。
モノクロの演出や狭い空間のカメラワークは意図的なものとすると、これは当時の”映画的”なメディアやアートであるとも言えると思いました。

現代にも通じる教訓 言葉の映画

この映画を構成している要素はいくつもありますが、言葉が最も重きを置かれているパーツなのかな。と感じています。
そのため染み入る言葉がたくさんです。有名な言葉は沢山ありますが、そこは触れず自分が染みた言葉たちです。
口は慎み行動を急ぐな
友と見込んだら鉄のタガで心に結びとめろ
つまらぬ付き合いに手をすり減らすな
喧嘩はならぬ、だがやるなら勝て
人の話はよく聞け
服装には金と気を使え
金の貸し借りはよせ、貸しは金と友を、借りは倹約心をなくす
何よりも自分に誠実であれ
現代にも通じる教訓がめちゃくちゃ沢山ありました。
時代の流れ的には昔の事だなと思うワードもありますが、此れが原作は400年程前でこの映画も70年前と思うと本当に凄い。
凄いは端的で抽象的ですが、それ程昔にも関わらずここまで言葉の完成度、心の感度を言語化できていたと思うと時の流れはゆるりとしていると思います。
今でも完成度が高いと思うという事は人の心は変わらないとも思うのでした。
「僕の言葉を忘れるな。」「胸に入れて鍵をかけます。」
男性も女性も言葉がストレートで感情的にも関わらず卑しくなく滑らかに表現をできるのか。
これも不思議なんですが感情論故説明出来ませんが、腑に落ちます。

娯楽としての側面は薄味

当時高い評価を得た作品のようですが、現代を生きる方が見ても殆どの方が面白いとは思わないと思います。
自分も面白いかどうかと問われればエンターテイメントとしての面白さはそれほど感じ取ることができません。
ただ映画はエンターテイメントとしての役割は勿論ですが、社会的なメディアでもあって教育的なメディアでもあり、アートでもあると思うのです。
すると良い悪いではなく、やはりこういう映画もまた価値があるのかななんて思ったりします。