最近はSFを見ても、もう何処か近未来にしか見えなくて、好奇心と複なんだか複雑。
労働階級と富裕層の二極化というのは、信ぴょう性のあるテーマ。
そんなテーマ設定も良い。
そしてサイバーパンクなグラッフィックに魅了される。
作品情報
制作年 2012年
制作国 アメリカ
上映時間 118分
ジャンル SF
監督
レン・ワンズマン
キャスト
コリン・ファレル(ダグラス・クレイド/カール・ハウザー)
ケイト・ベッキンセール(ローリー・クレイド)
ジェシカ・ビール(メリーナ)
あらすじ
戦争の果てに環境破壊の進んだ近未来、地球に住む人々は富裕層と労働層が分断されていた。
労働層の生活に嫌気がさしたダグラスは、記憶を売買するリコール社を訪れる。
そんな折、警察官が襲来し、彼は人間離れした戦闘能力を発揮し、難を逃れる。
しかし、眠りにつき、目を覚ました彼の記憶はかき消され不思議な感覚に陥る…。
感想・考察
SFだけどもリアリティを帯びて来ている
sfはそれほど見ませんがテーマ、ストーリー、映像、キャスティング本当に素晴らしい。
最近SF物を見ても、別世界という感じはしなくて自分が生きているうちに実現する可能性が大いにあると思いながら見ている。
こちらも例外ではなくて、人間階級の2極化や移住地の2極化はそう遠くないと思われる。
特に日本は高度経済成長を経過してから殆どが中流階級層となり平等、平均、一般、そのような所謂普通が一番という思考が標準化されていている。
此れの是非を問う気はないが、敢えて植え付けられていると表現したい。
義務教育、終身雇用、年功序列、男尊女卑挙げればきりがない、シフトしつつあると言ってもAIが本格的に導入されて雇用に影響が出る前に、それらが大きく変わる事はないでしょう。
労働階級との富裕層の二極化
AIの台頭によって、その中流階級が2極化されると貧富の差は拡大して行く事は予測出来る。
「俺らは何も考えずに毎日、何年も働いている。」というワードにしても非常に縁落ちる表現で正にそれです。
思考停止したリーマン。
それが植え付けられた中流階級層の思考で当時はそれが良いとされていたのです。
しかし、今は過渡期です。だ
から労働階級からそんな言葉が発せられるのでしょう。
このようにSFとしてジャンル分けされている映画は一般論では単なる比喩としての表現技法だと思います。
しかし、自分はSFが揶揄としての表現に見えてならないのです。
サイバーパンクな世界にの魅了される
単純に映画としてみると、サイバーパンク感のある世界観やテーマ設定は素晴らしいです。
ただ、そこから色々と考えてしまうものです。
それが楽しくもあり複雑でもあるのでした。
闘争や戦闘シーンの緊迫感もグラフィックも凄い。
また個人的に台湾や香港のような色味の街並みが好きなのでかなり良かった。
似たものだと王家衛の作品はそんな感じ。
またここまで発展している世界で人間を単純に労働力と見ていることや移住地で差別的な対応があるには違和感を覚えました。
逆にいくら文明が進んでもそういうネガティブな思想は蔓延ると揶揄しているのかもしれません。