映画「あの頃ペニー・レインと」ロックを機転に溺れていく若者が水々しく

ロックを機転に、それぞれ各々が陶酔し溺れていく。

若者が水々しく葛藤する姿に魅了される。

母親から抑圧されていた15歳の少年はロックや酒、ドラッグという悪を見て、男から漢へ成長していく。

おすすめ度5.0

作品情報

製作年 2000年

製作国 アメリカ

上映時間 123分

ジャンル ドラマ

 

監督

キャメロン・クロウ

 

キャスト

パトリック・フュジット(ウィリアム・ミラー)

ケイト・ハドソン(ペニー・レイン)

ビリー・クラダップ(ラッセル・ハモンド)

フランシス・マクドーマンド(エレイン・ミラー)

ジェイソン・リー(ジェフ・ビービー)

アンナ・パキン(ボレクシア)

 

あらすじ

厳格な母に育てられ、純粋無垢な優等生、ウィリアム。

彼の地元誌に書いた原稿がローリングストーン誌の目に留まり生活が一転。

ロックの世界に没頭してゆく。

ブレイク寸前のバンドに同行取材することになったウィリアムは、グルーピーのリーダー、ペニー・レインと出会う。

 

感想・考察

ロックを機転に、それぞれ各々が陶酔し溺れていく

ジブリ作品や「GO」「ドラゴンタトゥーの女」は好きなので何度も見ているけれど、僕は基本的に同じ映画を複数回見ることがない。どの映画も素敵なあれこれが沢山あって魅力的なことは間違いないし、複数回見ることで新たな発見もある。けれど、どちらかと言えば、まだ見たことのない作品に出会いたいと思ってしまうから、他の作品へ移ることが多い。とはいうものの、この映画に関しては、先に挙げた作品に次いで複数回見ている作品。なんだか、そういう魅惑ともいうようなエネルギーが今作にはあるのだ。

作中でも、ウィリアムはロックに、そしてペニーに。ペニーはロックに、そしてラッセルに。スティルウォーターはロックに、そして他の物事に。そうやって、それぞれ各々が陶酔し溺れていく。僕も今作には少しそういった、酔うような感覚がある。

酒やドラッグに人が酔うように、彼らは様々な思いを飲み込み、潰れては這い上がって、また跳ね返される。けれども、また這い上がる。そういった感情の起伏の荒々しい状態である青春時代をダイナミックに鮮やかに描いているから今作に僕は魅了されるのかもしれない。

 

15歳の少年は悪を見て、男から漢へ

各々が自分の心情い素直に、素直だけれど嘘になってしまうこともあって、それが葛藤として描き出される。それぞれが利己的なことによって、周辺は危害を被る。ウィリアムの母親は息子を心配してやるせ無くなるし、ペニーはラッセルの自由奔放な姿に同じ。みんながみんな他人を思いやることはなく、自分のせいで誰かが被害者になる。そういった思春期の暴走が水々しい。

そんな彼らだったけれど、最後にウィリアムは自分よりも人を思うことを覚える。もちろん、相手はペニーだけれど、彼女のためなら自分の危険も厭わない。これが利己主義から利他主義への転換。母親に何度も電話で心配されていた15歳の少年が、大人になってゆく。この瞬間が堪らなく、格好いいのだ。男から漢になったという感じか。

法的なことを考えれば、酒やドラッグは確かに違法だから、いわゆる悪になる。けれど、15歳の少年は悪を覚えて大人に、男になる。ストーリーを考えれば、一種のサクセスストーリー的な側面が強くて普遍的な物語かもしれないけれど、それが水々しく描かれているから、その普遍性が素敵なのだと僕は思う。男は〜、男だから〜。というのは今の時代ナンセンスなのは十分に承知しているのだけれど、そういう古典的な物言いも好きなところ。

そして、ウィリアムは思い返すのだろう。あの頃ペニーレインと。

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