映画「ベニスに死す」監督・キャスト、あらすじ・感想 LGBTをテーマにした現代に通じる社会派ドラマ

老年男性と美少年との間に起こったセクシャルな出来事。

LGBTをテーマに扱った古典的な作品として、今作は現代社会にも通じる先駆的で社会派ドラマです。

さらに、芸術品のように美しいビョルン・アンドレセンは圧巻です。

作品情報

製作年 1971年

製作国 イタリア、フランス

上映時間 131分

ジャンル ドラマ

監督

ルキノ・ヴィスコンティ

キャスト

・ダーク・ボガード(グスタフ・アシェンバッハ)

・ビョルン・アンドレセン(タジオ)

・シルヴァーナ・マンガーノ(タジオの母)

・ロモロ・ヴァリ(ホテルのマネージャー)

あらすじ

1911年、イタリアのベニス。

静養に訪れた作曲家のグスタフは、宿泊先のホテルで見掛けた少年タジオに一目で心を奪われる。

タジオへの思いが抑えられないグスタフだったが、ベニスではコレラがまん延し始め…。

感想・考察

LGBTをテーマに扱った先駆的で社会派ドラマ

あらゆるマイノリティーに目が向けられるようになり、その声が可視化されやすくなっている近年。

中でもLGBTを扱った映画は、アカデミー賞をはじめゴールデングローブ賞など、数々の賞を受賞するようになっているという印象を受けます。

記憶に新しいところだと、「君の名前で僕を呼んで」や「ムーンライト」。

それから、グザヴィエ・ドラン作品が好きな自分にとっては、同じくLGBTをテーマに扱っている「胸騒ぎの恋人」をはじめ「私はロランス」、「トム・アット・ザ・ファーム」、「ある少年の告白」あたりも印象深い作品。

他にも、王家衛の「ブエノスアイレス」の美しい絵には魅了されました。

これらの映画群が映画賞を受賞するという形で、注目されることは社会的に意義のあることなのかなと思います。

社会的なテーマを扱うこれらは、いわゆる社会派と呼ばれる映画群と認識しています。そして、その起源的かつ先駆的な位置付けとなった作品が、今作「ベニスに死す」という印象。

「ベニスに死す」がそれらの”オマージュ的作品”という表現があっているのかは定かではありません。

ただ先の近年注目を集めているLGBTをテーマに扱っている作品に、少なからずポジティブな影響を与えているようは思えます。

実際、以前よりかはマイノリティーが声を挙げやすくなっている現代であっても、まだまだ少数派が声をあげることに対してネガティブを抱く人々もいるのは確かです。

しかし、以前は今以上にLGBTに対するネガティブはつよく、暗黙に了解的に捉えられていた訳です。

そういった意味でも、「ベニスに死す」が後の社会に与えたインパクトは壮大なスケールを孕む映画と言えるかもしれません。

僕はジェンダーやLGBTに関する知見に富んだ権威者でも、有識者でもなければ、自身がいわゆるセクシャルマイノリティーでもなければありません。

けれど、マイノリティーが声を挙げやすくなるという社会の流れは、これからも加速し重要性を帯びてくると思っています。

だから、僕は映画としての価値はもちろんですが、それ以外の波及効果について価値があるのではないのかと思います。

それから、ある統計によればLGBTに関する市場は、もはやマイノリティーではなくマジョリティーであり大きなマーケットとして認識されています。

それに伴って、ビジネスチャンスとしてターゲティングしている企業も多いようです。

そういった意味でも、これらの映画によるメッセージは多方面に意義のあることです。

芸術品のようなビョルン・アンドレセンの”美”

格好いい俳優や美しい俳優はたくさんいますが、その中でも今作のビョルン・アンドレセンの美は別格でした。

現在までに1000本近くの映画を見ている訳ですが、これ程までに高貴で神秘的な雰囲気を醸す俳優は見たことがありません。そういった視覚的にも楽しい作品です。

ダーク・ブラッド」のリバー・フェニックス、「ロミオ&ジュリエット」や「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオもまた、格好よく美しい俳優と思っています。

またビョルン・アンドレセンは彼らにはない女性的で抽象的な美しさも兼ね備えているように思えます。

最近は男性的な男性よりかは、中性的なルックスの男性が人気だといいます。

そういった意味でも今作のビョルン・アンドレセンは、今なお輝きを放つ存在なのでしょう。

だからこそ、社会的な意義を加味してもキャスト的にもこの映画は、この類の金字塔です。