映画「キングスマン」監督・キャスト、あらすじ・感想 アクションと重厚感のあるメッセージ

アクションで裾野は広く、その中に重厚感のあるメッセージを残す。

そして、アクションシーンやスパイグッズはもちろん、他にもファンタジックな要素や寓話的な要素、クライム要素、サスペンス要素、コミカルな要素など娯楽要素を詰め込み放題。

作品情報

製作年 2015年

製作国 アメリカ、イギリス

上映時間 129分

ジャンル アクション

監督

マシュー・ボーン

キャスト

コリン・ファース(ハリー・ハート/ガラハット)

マイケル・ケイン(アーサー)

タロン・エガートン(エグジー)

マーク・ストロング(マーリン)

あらすじ

ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、スパイ組織「キングスマン」の一員として活動しているハリー。

ある日、組織の一員が何者かに殺されてしまい、その代わりに新人をスカウトすることになる。

ハリーは、かつて命を助けてもらった恩人の息子で、密かにその成長を見守っていたエグジーをキングスマンの候補生に抜擢する。

一方で頻発する科学者の失踪事件の首謀者ヴァレンタインが、前代未聞の人類抹殺計画を企てていた…。

感想・考察

アクションで広く、重厚感のあるメッセージで深く

イギリスにおける階級社会はもとより、そこから想起させられるものと言えば、政治はもちろん環境問題、そして個人の生まれながらの変えようもないバックグラウンドと様々。それをアクション全開のスパイをテーマに描くことで裾野を広げ、見る人を選ばないながらも重厚感のある的確なメッセージを残している。

なので、アクションシーンはもちろんのこと、密偵に使うための銃をはじめとする道具は健在で刃物が取り付けられた靴やテレビ電話が内蔵されているメガネは既視感があるものの、弾丸をも寄せ付けない傘や手榴弾の代わりになるライターは斬新さもあり見ていて楽しい。そして、極め付けはそれらを聞きしめるブリテッシュスーツ。というのも、コリン・ファース演じるハリーは表向きはスーツの仕立屋さんなのだ。そして、そのハリーが所属する「キングスマン」へスカウトするための、目をつけたのが決して良い環境下にいるとは言えない父を亡くし無職の少年エグジーだった。これが父を亡くしたことで弊害を被ったエグジーの視点で階級社会の行方を具体化することで、重要感のあるメッセージを残している。

娯楽要素を詰め込み放題

先に挙げたアクションシーンやスパイグッズはもちろん、他にもファンタジックな要素や寓話的な要素、クライム要素、サスペンス要素、コミカルな要素など様々な要素が盛り込まれている今作は、多くの方にとって見て楽しい映画に違いないだろう。ただ特に冒頭でのグロテスクなシーンには注意が必要。

映画にはジャンルがあるように、大抵はそのジャンルに沿った形で物語が進んでいくけれど、今作はそうではなくて、様々なジャンルの要素が並行して進んでいく。だから、良い意味でジャンルを絞れない。そういった意味でも、このシーンはこんなテーマに沿っているのだな、と思いながら見るのも楽しかったりする。

Bitly