合法ビジネス参入による葛藤。非合法ビジネスで権力を持っていたマイケルが合法的なビジネスへ舵を切る。逆に注目の的となり狙われマイケルは葛藤する。ゴットファーザーシリーズ天晴れ。
映画「ゴッドファーザーPARTIII」 作品情報
製作年 1990年
製作国 アメリカ
上映時間 162分
ジャンル ドラマ、クライム
受賞歴 アカデミー賞、ゴールデングローブ賞
監督
フランシス・フォード・コッポラ
キャスト
アル・パチーノ(マイケル・コルレオーネ)
ダイアン・キートン(ケイ)
タリア・シャイア(コニー・コルレオーネ)
アンディ・ガルシア(ヴィンセント・マンシーニ)
ソフィア・コッポラ(メアリー・コルレオーネ)
ブリジット・フォンダ(グレース・ハミルトン)
あらすじ
コルレオーネ・ファミリーを父ビトーから譲り受けコルレオーネ・ファミリーのドンの地位を継承したマイケル。彼はマイケルはバチカンのギルディ大司教(ドナル・ドネリー)と手を結び、ファミリーの永続的な繁栄を図ろうとしていた。
しかしオペラ歌手をめざす息子アンソニー(フランク・ダンブロージョ)はそんな父と反目しており、そんな中、マイケルは10年前に別れた妻ケイと再会する。
そこには長兄の故ソニーの息子ヴィンセントの姿も。マイケルの娘メアリーは従兄ヴィンセントに運命的な愛の予感を覚えてゆくが…。
映画「ゴッドファーザーPARTIII」 感想・考察
合法ビジネス参入による葛藤
非合法ビジネスで権力を持っていたマイケルが合法的なビジネスへ舵を切る。逆に注目の的となり狙われマイケルは葛藤する。
まず冒頭の風景だったりの世界観素敵すぎる。
今見ると、この年代のヴィンテージ感のあるファッションやカルチャーは本当に格好いい。ワイドで長めのジャケパンスタイルは着太りにも見えるものの風格を効果的に表現している感じ。
裏稼業からコングロマリットやイタリアナンバーワン市民の選出、寄付金など慈善的行動は過去のシリーズとは相反するけど、コルレオーネファミリーの動向や周囲へのアプローチが変化していて、変わることの是非やそれによってどうなるかを巧く表現している。
「タフガイは要らない必要なのは弁護士。」というワードも時代の変化と共に需要と供給は変わり行き、裏稼業は供給過多的な状況になることがわかる。
ドンは恰幅が良いというイメージがあるんだけど、そういう身体的優位性がないにもかかわらずアルパチーノ演じるマイケルコルレオーネの存在感は流石としか言いようがない。マイケル自身はPart1.2のような非情さが薄れていてマイケルの葛藤が描かれているように感じた。前作では人を騙してまで自分の利害を追求していたのに今作では相手の上乗せした条件をも呑み込む姿がマイケルの変化かなあ。
それとは代替するような感じで、前作のマイケルに劣らずアンディガルシア演じるヴィンセントの冷酷でエネルギッシュな演技も素晴らしく格好良い。
マイケルがどれ程の想いでファミリーを変えたいと願っても簡単ではない。けれども継承され歴史はこう繰り返し、ゆっくりだけど確実に変わっていく。
ラストのアルパチーノの演技はやばかった鳥肌が立ってしてしまった。
ゴットファーザーシリーズ天晴れでした。