「デイ・アフター・トゥモロー」「インディペンデンス・デイ」を手がけたローランドエメリッヒ監督の作品。
政治的かつ社会的なテーマですが、笑いありアクションありの「THE 娯楽映画」の仕上がりです。
だって、このテーマなのに大統領がロケランをぶっ放すんですから。
でも、しっかりとオバマ元大統領の意思を継承するかのような、平和政策的な暖かみのあるメッセージも感じます。
作品情報
製作年 2013年
製作国 アメリカ
上映時間 132分
ジャンル アクション
監督
ローランド・エメリッヒ
キャスト
チャニング・テイタム(ジョン・ケイル)
ジェイミー・フォックス(ソイヤー大統領)
マギー・ギレンホール(フィナティ特別警護官)
ジェイソン・クラーク
リチャード・ジェンキンス
あらすじ
娘思いのジョン・ケイルはシークレットサービスの試験を受けるが手応えなし。
娘を落ち込ませる訳にはいかないと、ホワイトハウス見学に訪れるが、そこで問題が発生。
謎の武装集団に乗っ取られてしまった、ホワイトハウス。
ジョンは愛する娘を、大統領を、国を救うため奮闘することに。
感想・考察
王道の王道 娯楽映画とはこれ
ストーリーに関してはまさに、アメリカ的王道です。たまにはこういう映画も良いです。
コメディ要素もちらほら垣間見れて、緊迫感の中にも笑い有りで上手くまとまっています。
俳優さんたちも、其々過不足なくという感じの演技で、其々主張が強過ぎずコンパクトにまとまりがあります。
政治や社会的な題材を扱う映画は、どうも堅苦しくなりがちですが、政治・社会的な娯楽映画としては満足のいく仕上がりです。
大統領がロケランをブッ放す…?政治や社会は…。
現在の日本を見渡せば、政治が〜、社会が〜、毎日毎日くらいニュースばかりが目に着く。確かに俯瞰してロジカルに日本を見ればそれもそう。
しかし、少子化だ、高齢化だ、格差社会だ、老老・認認介護だ、引きこもりだ、自殺だ、待機児童だ、人手不足だ、医師不足だ、後継者不足だ、インフラの老朽化だ、あれやこれやとキリがない。
果たして、日本はそんなに悪い国なのだろうか。そんなことはないはずである。
確かに成長や向上心の源は自己否定かもしれない。それによって日本は高度経済成長を遂げたようだし、その恩恵を受けて大した不自由もなく生き、今の生活が存在することには異論はない。
だけれど、そんなに日常的にネガティヴなものばかり流れていたら気が滅入る。
という日常からの逃避行におすすめな映画でした。
今作に描かれているのは、紛れもなく政治的かつ社会的な側面ですが、政治思想の押し付けでもなく、社会を揶揄するものでもありません。言い換えれば、そのリアリティは少々単純化し過ぎている気がします。
すると、今作は「政治や社会、そんなものは関係ない。とにかくアクションを楽しんでくれ!」というメッセージを感じます。
だって、大統領がロケランをぶっ放すんですから…。それで社会の鬱憤を昇華させてくれちゃいます。
オープニングにみるオバマ的政策
黒人差別というのは、いまだに何処かしらに蔓延る、虚構に見えつつリアリスティックです。
オープニングは愛国心に溢れ、黒人大統領を賞賛するかのようにも見えます。
それは、オバマ元大統領の願いでもあり、アメリカの課題でもあったのでしょう。そんな平和政策を投影したかのような演出がポイントです。