映画「明日に向かって撃て!」主人公が逃走 アメリカンニューシネマの代表作

主人公が逃亡するという設定が斬新。

これがアメリカンニューシネマであるよう。

他にも台湾ニューシネマやヌーヴェルヴァーグ作品を見たけれど、映画大国アメリカのムーブメントは良い意味で異様。

おすすめ度5.0

作品情報

制作年 1969年

制作国 アメリカ

上映時間 122分

ジャンル ドラマ

 

監督

ジョージ・ロイ・ヒル

 

キャスト

ポール・ニューマン(ブッチ・キャシディ)

ロバート・レッドフォード(サンダンス・キッド)

キャサリン・ロス(エッタ・プレース)

 

あらすじ

19世紀末のアメリカ西部が舞台。

列車強盗で大金を手にしたブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。

彼らは新たな夢を追い求めて南米ボリビアへと向かう。

彼らはここでも銀行強盗を繰り返し、逃避行を続けるが……。

 

感想・考察

主人公が逃亡するという物語

まず今作の特筆する点といえば、タイトルの通り。

映画は大体が虚構であるから、その中に美化された主人公を見たいものである。

 

小さな男の子が仮面ライダーやら、戦隊モノを見るのも、そんな具合かもしれない。

”強い””格好いい”主人公に焦がれている訳だ。

そして、映画を見る多くの方は意図的でないにしろ、

美化された主人公に憧れの念を抱き、叶うことのない自分と重ねあわせることができるから映画を面白いと感じるのかもしれない。

マーベル作品なんかは、特にそんなことを感じる。

そして、そんな憧れを抱かせるような演出が実にうまい。

 

にも関わらず、今作は主人公が逃亡する。

そんな、主人公ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの姿が面白い。

しかも、彼らは地元では名の知れたアウトローであり、強者なんだから余計である。

 

アメリカン・ニューシネマというムーブメント

今作は、以前に書いた「イージー★ライダー」と並んでアメリカンニューシネマの代表作でと言われている。

アメリカンニューシネマとは、1960〜1970年代に製作された映画群のことで、社会への葛藤や反骨心を現実逃避という方法で具体化した姿が高い評価を得たよう。

 

 

今作は如何にもアメリカンニューシネマ的な映画だ。当たり前だけれども。

まさに主人公2人の逃避行は、アメリカンニューシネマ色を顕在化している。

 

このムーブメントをはじめとして、社会へのネガティヴな想いが映画を通して表現されている作品は、ムーブメントになるだけあって面白い作品が多い。

ムーブメントといえば他には、台湾ニューシネマに当たる「牯嶺街少年殺人事件」、ヌーヴェルヴァーグの代表作「気狂いピエロ」がある。

それぞれ特色は違うけれど、共通項は社会への葛藤だ。

 

それから、日本でも個人的に大ムーブメントになっても可笑しくないと思った作品が「王立宇宙軍オネアミスの翼」だ。

日本らしくアニメーション作品で、この作品には衝撃を受けた。

しかし、ムーブメントと呼ぶには連鎖生がなかったようで、流石は日本、反骨心は揶揄されるから。

流れに沿っていれば良い、という心情が映画作りにおいてもわかる。

もちろん、それはそれでいいのかも知れないけれど。

 

 

意味のあるラスト

結果として、社会には敵わないというラストが、また良かったりする。

有名なラストシーンなので身に覚えのある方も多いかも知れない。

 

逃げ回った2人だが、結局は追い詰められてしまう。

今作はは、主人公が逃走するから、所謂美化されない作風が泥臭く人間味があって、面白いのだと思っていた。

しかし、ラストを見れば、美化されているのかも知れない。

というのも、2人の泥臭さが異様に格好良く見えてしまうから。

 

そういう意味では、アメリカンニューシネマ的な泥臭い反骨心と

死んでも社会には巻かれないという格好良さが融合した傑作なのかも知れない。

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