映画「シンデレラ」実写版 監督・キャスト、あらすじ・感想 白人優位主義的な作風を塗り替える作風へ

映画「シンデレラ」実写版 監督・キャスト、あらすじ・感想 白人優位主義的な作風を塗り替える作風へ

白人優位主義的な作風を感じてしまうディズニーに重役で黒人俳優を投入。

語り継がれる作品故の弊害なども。

しかし、言うまでも無く圧巻の映像美で昇華。

作品情報

制作年 2015年

制作国 アメリカ

上映時間 105分

ジャンル ファンタジー

監督

ケネス・プラナー

キャスト

リリー・ジェームズ(エラ/シンデレラ)

ケイト・ブランシェット(トレメイン夫人)

ヘレナ・ボナム・カーター(フェアリー・ゴッドマザー)

リチャード・マッデン(王子/キット)

ソフィー・マクシェラ(ドリゼラ)

ノンソー・アノジー(大尉)

あらすじ

心優しい母親と商人である父親の元で育った動物と心を通わせる生粋少女エラ。

母親は亡くなり月日は流れ、父親は後妻を家に招き入れる。

エラは母親の教えを守りながら、父の後妻とその娘たちと暮らしていた。

しかし、父親も他界したのち、新しい家族はエラを召使いのように扱う日々が始まる。

食事を作る際に灰をかぶったエラは、「灰にまみれたエラ」から「シンデレラ」とあだ名をつけられる。

ある日家を飛び出したエラは、森の中で”見習い”のキットと出会い心を通わせる。

しかし、キットの正体は、小さな国の王子であった。

彼は、エラとの再開を夢見て国中の女性を招いた舞踏会を企画するが…。

感想・考察

白人優位主義的なディズニーに重役で黒人俳優を

これは思い込みかもしれませんが、ディズニーアニメは白人ばかりが目立つ印象。

そもそも、白人だから黒人だからと言うこと自体が現代においてナンセンスなのかもしれません。

でも、なんと言うか、白人優位主義的な作風を感じてしまうところも否めない。

しかし、今作では重要な大尉役に、黒人俳優であるノンソー・アノジーが努めている。

この点は個人的に好印象。

しかも、彼の言葉によって最終的なオチまで持っていく流れ。

 

そして。驚いたことに彼の身長は198cmと言うこと。まさに大尉。

親しまれ語り継がれることによる、弊害

ディスニーアニメの中でも特に有名な作品が「シンデレラ」

そもそも「グリム童話」の1つで「ヘンゼルとグレーテル」や「赤ずきん」は有名。

かく言う自分も子供の時にアニメを何処かで見た記憶がある。

ディズニーで映画化されているものであれば、数年前に話題になった「塔の上のラプンツェル」や世界初の長編アニメーションと言われている「白雪姫」も。

世界中で親しまれていることもあり、現在は様々なストーリーで語られることもしばしば。

しかし、これはどこか残念。

 

制作側というのは、時間も労力もかけて、その物語を構築していくわけで、それが意図しない形で後世に伝わっていることで制作側は悲しいのではないかなと。

特に、自分自身が悲しいのが「天空の城ラピュタ」の”バルス”。

滅びの言葉がSNSでふざけて散見されるのが、本当に心苦しいなどと想起する。

あれもこれも素晴らしいけれど、どこか物足りない

名作とあって、脚本や演出、音楽など何もかもにこだわりがあるのはわかる。

特に、アカデミー賞の衣装デザイン賞にノミネートしたシンデレラの衣装は、最新のCGを含め制作側の誇りのようなものさえ感じた。

しかし、どこか物足りないのだ。

多くの実写版ディズニー作品が高い評価を得ているのに対して、こちらは評価も今ひとつ。

最近であれば「アラジン」「ライオン・キング」は凄まじい人気ぶりだ。

 

なぜ物足りないのかと考えれば、やりすぎ感を感じてしまうからではないかと。

優しい家族に大きな屋敷に幸せに満ちたエラ。

その対極にある後妻やその娘達からの執拗な嫌がらせ。

このギャップがなんだかシンデレラの逆境劇を相乗し過ぎてしまっているのでは無いかな。

灰をかぶってシンデレラ

実を言うと、シンデレラはあだ名で灰を被ったことによって付けられた名だとは知らなかった。

シンデレラ =綺麗とか高貴とかポジティブな意だと勝手に思っていたので、お恥ずかしい。

名前にもこんなストーリーがあったとは。

 

そして、それを付けたのが後妻たちな訳だけれど、エラのお父さんが彼女達を、素敵な女性だと言って招き入れたのが、嘘のよう。

エラを純粋な女性に育て上げたのは、まぐれも無く父親の力が大きい訳だけれど、あんな女性を素敵に思うとは、何処に目がついているんや。

素敵な姿が何1つない。

しかし、何はともあれ圧巻の映像美で昇華。

 

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