この映画を非難する訳ではありませんが、評価が高いだけに期待値も高かったのですが、内容とのギャップがありすぎてかなり残念でした。
今作を高く評価している方を否定したい訳でも貶したい訳でも無いのですが、単純に好奇心が湧きます。
作品情報
制作年 1973年
制作国 アメリカ・フランス
上映時間 151分
ジャンル ドラマ、クライム
監督
フランクリン・J・シャフナー
キャスト
スティーブ・マックイーン(パピヨン)
ダスティン・ホフマン(ルイ・ドガ)
ビクター・ジョリイ
ドン・ゴードン
あらすじ
フランス語で蝶を意味するパピヨン。
胸に刻んだ蝶の刺青からパピヨンと呼ばれる男は仲間の裏切りによって終身刑に。
過酷な強制労働を余儀なくされ、遂に彼は脱獄を決意する。
偽札作りの才を持つドガと取引をすることで、2人は妙な絆を結んでゆく。
感想・考察
情報不足で理解不能?
与えてくれる情報量が少ない意味不明で腑に落ちない点がいくつもありました。
なぜ投獄されたのか。
なぜ脱獄したいのか、その描写が殆どなく、薄い。
素性も知らない人間を仲間に加える謎。
囚人という前提条件があるのに、上陸した際に視界に入るはずの看守を度外視。
謎のロマンティックな恋愛的要素を絡める必要性。
ハンセン病の人はなぜ助けてくれるのか。
明確な理由もないのにボートやら金やら出すわけない。
自分を犠牲にしてまで守った相方を速攻で置き去りにする不自然さ。
どれもこれも訳分かりません。
今作を名作と言う方にこれらの理由を聞きたい。
一回しか鑑賞もしてないし何度も見ればわかるのかもしれませんがだとしても腑に落ちません。
脱獄への執念
パピヨンの生や脱獄への執着心は感じました。
虫を食べて生きる姿や自分を犠牲にしても脱獄につながるなら口を割らない姿は良い演技だったと思います。
でもですよ。そもそも脱獄っていうのはこんなに甘っちょろいものなんですかね。
じゃあ明日実行しよう!そんなノリで通用しないと思うんですよね。
勿論時にはノリや勢いは大切だと思うんですが、看守や法、監獄はそんなに簡単に抜けられるべきではないと思います。
〜べき論を展開しても主観的なんですけど。
練りに練った論理的な作戦。それを立てる為にリスクを負って調べまくって人の弱みに付け込んで心理的に陥れて買収して、そしてようやく作戦として成り立っていくものじゃないんですかね。
脱獄を実行するという目的だけが一人歩きしていて、肝心の脱獄の方法が弱すぎる。
まさに手段の目的化的な現象で、なにを伝えたいのかイマイチでした。
脱獄して自由を手に入れるというより、失敗してもいいから脱獄行為を行いたいようにしか映りませんでした。チープで薄い。
難解な演出
脱獄ではなくてパピヨンとドガの友情をメインで伝えたかったのなら口を割らないパピヨンの姿は納得できます。
しかし、それなら何故あんなに簡単に見捨てられるのか。全く理解不能。
それなのにラストでなぜか抱き合う意味不明。
名作と言われているだけあって評価も高く、非常に期待していたのですが予想外の内容でした。
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