映画「親切なクムジャさん」最高峰の演出の巧さに不気味さ

700以上の映画を観てきたわけですが、1.2を争うレベルの演出の巧さを感じる映画です。
ここまでテーマに合致した演出は中々ないと思っています。
復讐の不気味さが異様なまでに伝わってきます。

作品情報

制作年 2005年

制作国 韓国

上映時間 114分

ジャンル ドラマ

 

監督

パク・チャヌク

 

キャスト

イ・ヨンエ(クムジャ)

チェ・ミンシク

クォン・イェヨン

 

 

あらすじ

幼児誘拐と殺害の罪で十数年前刑務所暮らしを送ったクムジャさん。
しかし、それは娘の命と引き換えに濡れ衣を着させられていたのだった。
親切な模範囚としての側面とその裏にある復讐心。
出所後に事件の明らかになる。

 

感想・考察

何が不気味にさせるのか

カメラワークと色彩が特徴的で、淡くて古い感じの映像が異様に不気味さを掻き立てます。
そしてなんといってもクムジャさんの表情が多様で見事です。
真っ黒の眼球がまっすぐ画面越しに見てくる。
いやー不気味でドキッとさせられます。
なんだか画面越しなのに此方を見透かされてるような全て分かってます。
みたいな表情が怖い。ロボットのようにさえ見えます。

復習とはこういうものである。と言わんばかり

暗さと淡さが共存したような世界観がまさに復讐を感じさせますし、色白に真っ黒な髪と瞳がへんてこなホラーよりもホラーを感じさせて気味が悪い。
でもそれが効果的で復讐心やその想いの深さを感じさせる演出でした。
まさに魅せる感じ。

パク・チャヌク 復讐三部作

復讐3部作なるものがありまして、比較すると「オールドボーイ」のような派手さはないけれどこれこそ復讐なんだと感じさせられます。
クムジャさんの綺麗だけどそこに少し疲労感を漂う表情が上手い。

この演出のために

1番好きなシーンは、煙草の煙を被るクムジャさんとそれを取り巻く光りと影の演出です。
これは痺れました。

闇のための偽装の光

服役中は親切なクムジャさん。
しかし、その裏には復讐心に燃える魔女クムジャ。
光りと闇は表裏一体。演出がその人の闇をシナジー的に表現しているようです。
だからといって八方美人的な人間でもないように感じて、両方持ってクムジャさんであるように感じました。
それがそれで怖さを増大させます。
タイトルが親切なクムジャさんってのもなんだか嫌味的や揶揄的な表現にも見えてくるようになりした。