映画「ユージュアル・サスペクツ」監督・キャスト、あらすじ・感想 サスペンス映画の金字塔

サスペンス映画の金字塔的作品。

サスペンスの良さを最大限に発揮していて、一度だけでは物足りないあとを引く作風には感嘆する。

中でもケヴィン・スペイシーの演技は圧巻。

作品情報

製作年 1995年

製作国 アメリカ

上映時間 105分

ジャンル サスペンス

監督

ブライアン・シンガー

キャスト

ガブリエル・バーン(キートン)

スティーブン・ボールドウィン(マグナマス)

チャズ・パルミンテリ(クライン)

ケヴィン・スペイシー(ヴァーヴァル)

ベニ・チオ・デルトロ(フェンスター)

ケヴィン・ポラック(ホックニー)

あらすじ

アメリカ西海岸の埠頭で起きた大量のコカインと9100万ドルが消えた密輸船爆破事件。

この事件により、五人の犯罪者集団と密輸船のマフィアのメンバー双方に多数の死者が出たが、唯一生き残ったキント。

彼から事件の真相を聞き出すために、調査に当たったクラインはカイザー・ソセという人物を聞き出す。

しかし、カイザー・ソセは謎に包まれており、彼が誰なのか素顔を知る者はいない…。

感想・考察

サスペンス映画の金字塔

今作を見た僕がは「これこそサスペンスだ」という感じた。サスペンスは直訳すると不安を意味するので、サスペンス映画といえば観客を不安にさせる作品であり、そんな心理状態が続く作品。すると、この映画はとことん観客を不安にする効果を持っている。他にも、デビッド・フィンチャーの「セブン」や「ゴーン・ガール」僕の好きな映画でもトップに挙げたい「ドラゴンタトゥーの女」は特に有名。なのだけれど、これらは1人2人の人間に焦点を当てて描かれているので、ドラマ的な側面も強い。それに対して「ユージュアル・サスペクツ」は5人の犯罪者に加えてカイザー・ソセや他の犯罪組織も関わってくるので、先がまったく読めなかった。そうすると、サスペンス映画の特筆すべき点である、不安を煽る効果が異常に高まる。結果、僕は最後の結末には面喰らった。しかし、それがサスペンス映画の醍醐味であり、楽しさだろう。だからサスペンス的であると言えると思う作品。

謎だらけのカイザー・ソセだったが、僕はどう考えても”彼”だと思っていた。作中では間違いなく彼が犯人だと思わせるような作りになっており、まんまとその作りに僕は騙された。見ていない方はぜひ自分の目で見て結末を知ってほしい。他の映画なたネタバレや結末を公開することもあるのだけれど、サスペンス映画のサスペンスたる所以を直に感じることのできる作品なのでカイザー・ソセの真相は敢えて伏せておく。

最近、サスペンス映画をあまり見ていないけれど、映画を好きになり始めた頃はサスペンス映画ばかり見ていた。やはり、あのドンデン返しを感じるのが心地よかったのだろう。先ほど挙げた「セブン」が僕が意識してサスペンス映画を見た最初の作品で、あの作品にも非常に刺激的だったのを覚えている。しかし、サスペンスとして楽しむのであれば、一番に「ユージュアル・サスペクツ」をおすすめしたい。

この感覚を味わうのは一度では物足りない

あまり複数回に渡って作品を見ることはないのだけれど、今作は時間を置いてまた見たい。一度、カイザー・ソセの記憶を抹消して、またこのサスペンス感を味わいたいと感じるほどラストは爽快だった。まさに相手を騙すには味方からといった感じ。

なんども見たくなる映画というのは、やはりそれだけ価値のある映画だと思うのだけれど、僕の場合ジブリ作品がそれに該当する。「もののけ姫」や「風の谷のナウシカ」「ルパン三世 カリオストロの城」「天空の城ラピュタ」「紅の豚」はそれぞれ10回くらい見ている。それは僕が暇人というわけではなくて時間を作ってでも何回も見たいと思う作品だからだ。(暇人なのかもしれないけれど)。

映画としてはもちろんだけど、1人の役者としてケヴィン・スペイシーの演技は圧巻だった。先ほどの「セブン」でも「アメリカン・ビューティ」でも彼の演技は目を見張るものがある。単純に格好いいとか巧い役者は沢山いるのだけれど、ここまでカメレオンで幅のある役者はあまりいないと実感する。今作において彼は足を引きづり歩く、身体的な障害を抱えている設定になっているのだけれど、それもあって小心者そうな演技が特に素晴らしい。実際、彼はユージュアル・サスペクツのために医者からアドバイスをもらったり靴底を引きずって歩く練習を怠らず、作品にその努力が垣間見れる。そんなバックグラウンドを知ると俄然面白くなる。

 

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