実写版「アラジン」のガイ・リッチー監督作。
今作と比較すれば彼の多面性をもろに感じることになる。
インディーズらしさの強い今作と「アラジン」では実際、全く作風が違うものの窃盗という共通項もある。
そう言った点では親和性がある作品群なのかもしれない。
作品情報
製作年 2000年
製作国 アメリカ
上映時間 102分
ジャンル クライム
監督
ガイ・リッチー
キャスト
ベニチオ・デル・トロ(フランキー)
デニス・ファリナ(アビー)
ヴィニー・ジョーンズ(ブレット)
ブラッド・ピット(ミッキー)
あらすじ
発端はフランキーが強奪した86カラットの大粒ダイヤ。
非合法な賭けボクシングのノミ屋に、ダイヤを持って現れたフランキーが襲われた。
ダイヤを追うNYマフィアのアビーと不死身の殺し屋トニー。
そこに賭けボクシングのプロモーター、ターキッシュと、ボクシングで賞金稼ぎをしようとする流浪民ミッキーも加わって、すべてが複雑に絡み合い、予測を越えた展開が繰り広げられる。
そして、鍵を握るのは気まぐれな一匹の犬…。
感想・考察
実写版「アラジン」のガイ・リッチー監督作 彼の多面性を観る
今年大人気を博した実写版「アラジン」の監督といえば、今作でも監督を務めるガイ・リッチーである。実際、今作と「アラジン」では全くと言っていいほど作風は異なる一方でガイ・リッチーの多彩さを実感することとなった。今でこそ二作を比較することでガイ・リッチーのポテンシャルを感じることができるわけだが、今作に登場する恋多き男として知られるブラッド・ピットは当時から、そのポテンシャルを見抜いていたよう。というのも、今作に出演するにあたって彼は破格ともいえる低いギャラで出演しているということから。今であれば名監督の1人として知られているわけだが、当時から目星をつけている所にブラッド・ピットの俳優としてのポテンシャルまで感じることになった。
作風が異なるものの、窃盗という親和性
作風が異なるというのも、今作はいわゆるインディーズらしい独特の雰囲気を醸すからだ。ロンドンの街を舞台に10人を超える悪党たちと物語の鍵を握る犬が落ち着きなく乱れ暴れまわって繰り広げる物語は、まさに”騒動”に相応しいように思う。一方で、「アラジン」では最早ハートフルな感情を抱くには容易だった。実際、表面的には、そして一般的にはハートフルなのだが僕にとってはそうでもなかったけれど。どちらにせよ作風が全く違う。しかしながら、共通点もあったりする。というのも、どちらも泥棒が関わってくるからだ。「アラジン」であれば主人公アラジンは盗人であるし、今作のポイントになるのも大粒のダイヤモンドの泥棒だ。そういう意味でも、どこか共通点を残しているのが、なんだか嬉しくなる。今作の脚本をガイ・リッチーが書いたということからも、どこかそれぞれに親和性があるように思えてならないようになってしまった。