映画「上海ルージュ」監督・キャスト、あらすじ・感想 ルージュな色彩とモノクロの不安の対比

口紅や衣装、中国の街のルージュな色彩。
それとは裏腹なモノクロの演出。
ライティングやカメラワーク、1930年代のノスタルジックかつ少年の不安感を煽る裏社会の情景に引き込まれました。

作品情報

制作年 1995年

制作国 中国

上映時間 109分

ジャンル ドラマ

監督

チャン・イーモウ

キャスト

コン・リー

リー・パオティエン

リー・シュエチェン

あらすじ

主人公シュイションはアヘン密売と売春を行う組織のギャングの頭タンの下で働いく叔父リウを頼りに上海へ。
そこでシュイションはタンの愛人で上海1の歌手チンパオの下で働くこととに。
そんな中ギャングの抗争が激化し、それを避けるためシュイションはチンパオと共に、秘密の隠れ家へ向かう事に。

感想・考察

色彩の豊かさ

王家衛の作品は色彩に飛んだ素晴らしい作品ばかりだと思っておりまして、この作品も色彩に飛んだ作品ということで鑑賞致しました。
公開されたのは自分が生まれる数ヶ月前という作品。
そんな王家衛を始めとする台湾や香港の映画に関心があり、上海というフレーズに惹かれレンタルビデオ店でふと手に取りました。
マフィアの勢力・1930年代の上海・美しく消えた女の物語。
そんな感じのコピーに黒味がかった赤のジャケットによって、ドスの効いたとでも言いましょうか。ビビっと

少年視点のカメラワーク

自分の身長よりも頭一つ抜けた大人達を不審そう暫く見回す主人公の姿から物語は始まります。
このシーンでなんとなく予想ができました。
周りの大人への不信感や不条理を描く作品ではないか。と。

富豪の排他的思考と自己肯定感

上海富豪の愛人ともなれば、それだけで凄まじい誇りでそれが自尊心、排他的思考、自己肯定感に繋がる。
そのマインドが過度に象徴されるほどにチンパオの言動は非常に自己肯定的で威圧的でマウントを取っていないと自分を保てないのかと思うほどでした。
そしてその演技が上手い、様になる女優さんでした。

裏社会と少年のギャップ

女性と寝たことはあるの?小さい頃に母と。
そんな言葉を発する14歳の少年の視点から切り取られた裏社会というのは異世界中の異世界だったのでしょう。
観るもの聴くもの触れるもの全てが。

鮮やかな縁取られた上海とシンプルな田舎

色彩は薔薇や衣装の赤を基調としていて中国はもとより上海らしさを感じました。

まさにタイトル通り上海ルージュで、踊りや歌のシーンは華やかですがそれとは対照的な田舎のモノクロに近い色彩も見事です。

ストーリー性やシュイションの演技力に関しては少々物足りなさを感じました。